「ローカルルール」なるものは、さまざまな業界内にも存在するものだ。

外から見ると、「そんなことして何の意味が……?」というような、奇妙で業界内になんとなく存在する慣習。そんな変なルールには従うべきか否かを考える。


奇妙な慣習はなぜ定着してしまうのか?


 不動産業界の「契約が流れるのを気にしてトイレの水を流さない」などの変な慣習はなぜ生まれ、なぜ守られ続けるのか。コラムニストの石原壮一郎氏に話を聞いた。


「そのような変な慣習は、一度守り始めるとやめる勇気が出ません。守らずに失敗したら『ルールを破ったせいだ』とも感じられるし、実際にそう責められる。だから、守ることで安心できるんです」


 しかし、あまりに理不尽すぎる慣習には反発したくなるが……。


「もともと根拠のないルールの場合は、自分も根拠のないルールを作ってぶつけるのも手。『僕の場合は水に流したほうが契約が取れるんです!』と言い張って、実際に契約が取れれば、上司も認めてくれるかもしれません(笑)」


 一方で、駅員が一人でも指さし確認するのは、安全意識を高める効果はありそう。そのようなルールに従うのが苦痛な場合は?


「その行為に快感を覚えようと努力しましょう。『俺はこんな場所でも指さし確認している!』と喜びを感じるとか、指をさす角度を追求するのも楽しいはず(笑)」



 また、「こんな慣習は変!」と憤っている人には、「異を唱えてルールを変えることの大変さと、黙って従うことのストレスと、どちらのほうがツラいか比較を」と提案。


「黙って従うほうが楽なら諦めて従いましょう。そうやって割り切れれば、変なルールに従う場合も無駄なストレスは減るはずです」



 この種の変なルールは「極論すれば玄関にしめ縄を飾るのと同じようなもので、一つの文化」と石原氏。だからなくなることもない。


「ただ、その文化は業界や会社ごとに違うので、別の場所でそれを強制するのは迂闊。文化の違いを面白がる柔軟性を持ちましょう」



【石原壮一郎氏】
コラムニスト。『大人養成講座』『大人力検定』など大人の素晴らしさと奥深さを綴る著書多数。近著に『日本人の人生相談』『 大人の言葉の選び方』など

取材・文/岡野孝次 鼠入昌史(Office Ti+) 高島昌俊 藤村はるな 古澤誠一郎 イラスト/西アズナブル
― 業種別[職場の奇妙な慣習]がヤバすぎる! ―



引用元    http://news.nicovideo.jp/watch/nw2796685?news_ref=sp_list_topics